受信設備 (Receiving Equipment)

受信設備は、本来電波の発射を目的とするものではないが、副次的に発する電波等が妨害源となるおそれがある。また、通信目的を達成するためには、受信設備自体の性能も良好でなくてはならない。
電波法令では、次の一般的条件を定めている。
一 副次的に発する電波又は高周波電流の限度
受信設備は、電波を受けるための設備であるが、副次的に
(1) 受信空中線や電力線などから、電波が放射される場合
(2) 電力線等を介して、高周波電流が漏洩する場合
などがある。この副次的に発する電流又は高周波電流は、総務省令で定める限度を超えて他の無線設備の機能に支障を与えるものであってはならない(電波法第29条)。ここで限度というのは、いわば強度の許容値ともいうべきものであって、次のとおりとされている。
ア 受信空中線と電気的常数の等しい擬似空中線回路を使用して測定した場合は、その回路の電力が4ナノワット以下であること(無線設備規則第24条第1項)。
イ 2,400MHz以上2,483.5MHz以下の周波数の電波を使用する特定小電力無線局又は2,425MHzを超え2,475MHz以下の周波数の電波を使用する構内無線局であって周波数ホッピング方式を用いるもの、小電力データ通信システムの無線局の受信装置については、それぞれ次の表のとおりであること(無線設備規則第24条第2項)。

周波数帯副次的に発する電波の限度
1GHz未満4ナノワット以下
1GHz以上10GHz未満20ナノワット以下
10GHz以上2,400MHz以上2,483.5MHz以下の周波数の電波を使用する特定小電力無線局又は2,425MHzを超え2,475MHz以下の周波数の電波を使用するる構内無線局であって周波数ホッピング方式を用いるもの及び小電力データ通信システムの無線局20ナノワット以下

ウ 次の無線局の受信装置については、アにかかわらず、各受信装置別、周波数別に強度の許容値が定められている(無線設備規則第24条第3項-第7項、第10項-第15項、第17項-第21項)。
 符号分割多元接続方式携帯無線通信を行う無線局
 時分割・符号分割多重方式携帯無線通信を行う無線局
 時分割・符号分割多元接続方式携帯無線通信を行う無線局
 特定小電力無線局(使用周波数312~315.25MHz,433.67~434.17MHz,950~956MHz,10.5~10.55GHz,24.05~24.25GHz,59~66GHz,76~77GHzのもの)
 54.25GHzを超え59GHz以下の周波数の電波を使用する無線局
 構内無線局(使用周波数952~954GHzのもの)
 広帯域移動無線アクセスシステム(直交周波数分割多元接続方式のもの、時分割・周波数分割多元接続方式のもの、時分割・直交周波数分割多元接続方式のもの)
 5GHz帯無線アクセスシステムの無線局
 固定局、基地局、陸上移動中継局及び陸上移動局(使用周波数17.7~18.72GHz,19.22~19.7GHzのもの)
 22GHz帯、26GHz帯又は38GHz帯の周波数の電波を使用する陸上移動業務の無線局
 超広帯域無線システムの無線局、1500MHz帯の周波数の電波を使用する電気通信業務固定局
また、次の無線局の受信装置については、アにかかわらず、強度の許容値は別に告示されている(無線設備規則第24条第8項、第9項、第16項)。
 携帯移動地球局(使用周波数1,621.35~1,626.5MHzのもの)
 狭域通信システムの陸上移動局及び基地局
 特定小電力無線局(使用周波数402~405MHzのもの)
なお、免許を要しない無線局や受信専用設備等にあっても同様なおそれがあるが、これらの受信設備が他の無線設備の機能に継続的かつ、重大な障害を与える場合の措置について別途規定されている(電波法第82条第1項)。
二 受信設備の性能
受信設備は、なるべく次の条件に適合するものでなければならない(無線設備規則第25条
(1)内部雑音が小さいこと。
(2)感度が十分であること。
(3)選択度が適正であること。
(4)了解度が十分であること。
また、受信空中線については、送信空中線系の条件が準用される(無線設備規則第26条)。

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